相続時の心得「遺産分割協議書」
親族がお亡くなりになり、ご遺族が直面することの一つに相続があります。
相続を完了させるためには、法律で定められた相続人の合意が必要となります。
というところまでは、皆さん「そうだよね」とご理解いただけるところかと思います。
一方で、相続を完了させないと、不都合があるの?という問いかけには、
①生前不動産をお持ちだった場合は、固定資産税が相続人全員に連帯債務となります。
相続人全員が税金を納付する義務をおいます。納付を怠ると、当然延滞金が加算されます。それ以外にも故人の負債は連帯債務になりますので、お気をつけください。
②預金口座が凍結されます。銀行が口座名義人の死亡を知ると、預金口座が凍結されます。預金口座が凍結されると、一切の取引ができなくなり、公共料金等の引き落としもできません。
これ以外にも色々あろうかと思いますが、お金の問題は大きいですよね。
それでは、どうすればいいかですが、まずは、相続人全員で合意してください。合意できないときは裁判所の調停を利用するのが一般的。枝葉を広げていくと長くなりますので、今回は合意できた場合について。
合意できた場合は、普通「遺産分割協議書」という書類を作成します。この財産はアナタ、これはワタシ、と故人の財産の配分を書面にしたものです。インターネットで「遺産分割協議書」と検索すると、たくさんの雛形がありますので、それを使えばすぐに作成できます。不安な場合は弁護士などの専門家に依頼します。書き方は自由ですが、相続人全員の実印、印鑑証明が必要です。
遺産分割協議書があれば、不動産の名義変更や銀行口座の払い戻しなどが行えます。銀行によっては、別に必要な書類がある場合がありますので、事前に連絡をしてからお手続きをすることをお勧めします。
私たちの施設の利用者様ご家族で、利用者様がお亡くなりになり、銀行口座凍結に直面され、ケアマネさんに聞いてもわからない、誰に、何をきいたらいいかわからない、どうしよう、という事例がありましたで、簡単なコラムとしてご紹介いたしました。
今回のコラムは社会福祉士で銀行勤務経験のある本NPO副理事長が担当いたしました。今後も、高齢化社会で直面する問題について、知っておきたい豆知識をコラムとしてご提供しようと思います。ソーシャルワークの一助になれば幸いです。
結グループ(NPO全国生活支援機構)は地域の生活を支えることを目的とした団体です。介護はもちろん、税務、法務、不動産などの専門家がおり、地域の生活支援のお手伝いをしております。詳細で具体的なご相談はそれぞれの有資格者にいただく必要がありますが、「どこに聞いたらいいかわからない」、「何をしていいかわからない」などお困りごとがありましたらご相談ください。
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