リーダーシップ論
経営へのお役立ちということで、色々議論をしておりますが、よく耳にするリーダーシップの理論を見て見ようと思います。
リーダーシップとは何ぞや、ということでありますが、定義は数あるのですが、本日はこれを採用してみます。
(自己の理念や価値観に基づいて、魅力ある目標を設定し、またその実現体制を構築し、人々の意欲を高め成長させながら、課題や障害を解決する行動。)
経営そのもの的な定義なのですが、経営は人物金の三要素であり、リーダーシップは人の中に含まれて分類されていたりするのですが、定義を読むと経営そのものだし、たとえば、物=マーケティングも有名なコッターさんという教授も経営そのものである、とかいってますし、金=キャッシュフローこそ経営である、とか、皆さん好きなことを言ってます。
社会科学というのは正解がないのです。
さて、リーダーシップの研究は段階的に進み大きく3段階にわかれます。
①特性理論
これは、リーダーシップの有効性はリーダーの特性によるとする考え方で、優れたリーダーに共通している資質や特性を探求することを研究の焦点としています。ひらたく言えば、織田信長と豊臣秀吉と徳川家康の個人特性と共通性を研究するわけです。結果、結論はでません。当然です。短命に終わります。
②行動理論
焦点は、集団の生産性や業績とそこにおける組織成員の満足の双方を高めるようなリーダーシップ・スタイルを究明することです。主な研究として、
◆ミシガン研究
リーダーを「従業員中心型」と「仕事中心型」の2 つのタイプに分け、従業員中心型が高業績をもたらす有効なリーダーシップとされた。
◆ オハイオ研究
リーダーシップに仕事指向的な「構造づくり」と人間指向的な「配慮」といった2 つの基本的次元があることを発見した。こうした2 つの次元は、別々の独立した次元であり、両者をどのように組み合わせるかによって有効なリーダーシップは決まってくるとしました。
◆ PM 理論
日本人三隅先生の理論、目標達成機能と集団維持機能をリーダーシップという視点からとらえ直しました。心理学から派生する行動科学が基礎になっており、ようやく研究らしくなってきましたが、さて、リーダーシップ過程の結果が業績だとするならば、今好業績を上げている企業はすべてこのとおりかというと、違いますね。トヨタとアップルではまったく違うわけです。
③状況適合理論
あらゆる状況で最適な唯一のリーダーシップ・スタイルといったものは存在せず、リーダーが置かれた状況が異なれば必要とされるリーダー行動も異なると考えます。主な研究として、
◆ フィードラーの状況適合理論
フィードラーは、リーダーシップの有効性はリーダーシップ・スタイルと状況の関数で決まるとし、状況適合理論の先駆的モデルともいうべきコンティンジェンシー・モデルを提示しました。
◆ SL 理論
ハーシーとブランチャードは、伝統的なリーダーシップの2 次元モデルとフォロアーのレディネスを組み合わせたSL 理論を提示しました。SL 理論ではリーダーシップ・スタイルをS1(教示的)S2(説得的)S3(参加的)S4(委任的)の4 つに分類し、フォロアーとかレディネスとか、わかりづらいですが、つまり社員の成熟度に応じてスタイルを使い分けましょう、ということです。
リーダーはさまざまな姿があり、どれが優れているかは判断できない、と有名な経営評論家ドラッカー氏が述べております。また、勝てば官軍的なところも多分にあり、業績(売上)がすべてを癒す、ともいえます。
とはいえ、まとめです。
人はみな違います。無理しても無理は続きません。よって、自分にあったスタイルを見つけましょう=特性理論
組織を構成する人への配慮は当然ですが、業績への配慮、この2つは必須アイテムである=行動理論
人を見て法を説けというありがたい言葉があります、つまりそういうことです=状況適合理論
また、企業を取り巻く環境はそれぞれ違いますし、業界により違いもあります、
違いを十分認識しましょう。トヨタとアップルと東京都庁は違うのです=状況適合理論
迷ったとき、シンプルに考えると解きほぐせたりしますので、そう考え、使えればいいかもしれません。
ということでリーダーシップ理論でした。
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