理事長ブログ

経営事例その1

東京のとある病院です。救急病院と療養、老健施設を持つケアミックス病院です。経営が厳しいのは業界では知れ渡っていました。ワタシは紹介で再生支援に入ることになりました。いやー、ひどかったです。まずワタシが入って真っ先にしたのがお金の流れの解明です。ところが、お金は80歳の会長がすべて仕切っており、誰もわからない。一方で借入や仕入れの代金を払ってないわけです。

まず、理事長(医療法人の代表者は理事長といいます)に会長から印鑑と通帳、手形帳を取り返せ、と指示、これが、1ヶ月かかりましたね。ちなみに会長の息子が理事長。「父ちゃんに医者にしてもらったので、言いづらい」とか、寝言は寝て言え、と思いましたが、いやな予感。その後資金の流れの解明を始めて、金融債務をストップし、仕入先に猶予いただき、民事再生に入りスポンサーを探す、というプランで、資金繰りを持ち直せるかも、というとことまで何とか見えたところ、、、ある日からワタシ、連絡が取れなくなりました!電話しても理事長は出ず、事務長も出ず、はて、どうしたかなと。

猶予がないので、どうしようとおもって2週間が経過、連絡があり、資金繰りを確認したところ、、、なんと給与遅配まで進んでいました。

この間に何があったのか、あとで聞いた話では、このときに他の病院へ売却話を進めていたようです。高く売れるのではないかと思ってたようで、ワタシが言う民事再生はヤダと。

この2週間は完全に失われた2週間、結果は破産でした。。。ワタシが関与したときでも相当なのに、そこからつめを伸ばしまして、結果病院は破産、会長も理事長も自己破産、理事長今では知り合いの病院に勤務してます。多重リースでリース会社から訴えられてましたね、そういえば。

まだ何とかなる、と思うんですかね。なりませんから(キッパリ)。人間はここまで追い込まれても、何とかなる、と思うんですかね。結果地域や職員に多大な迷惑をかけた事例でした。自分は大切ですが、医療や介護は地域に与える影響が大きいので、経営者は早めに判断したいところですね。

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