経営事例その6
旦那さんが医者で、療養病院の院長でしたが、お亡くなりになり、奥さんが経営を承継しておりました。奥さんは病院に仏壇を作り、毎日礼拝を欠かさず、そこはすばらしいのですが、病院中に線香の香りが漂い、ただでさえ療養病院で老人ばかりなのに、微妙な雰囲気。奥さんの息子が、これも理事に入っていたのですが、病院を訪れては会計にある現金をつかんでは飲みに行く、というハチャメチャな病院でした。ワタシは買い手アドバイザーとして参加、承継を促したのは奥さん側の弁護士でした。
弁護士は現状を見かね奥さんを説得、息子は最後まで抵抗したようですが、弁護士が押し切り、売却を行いました。
購入したのはこれまで雇われで病院の院長を行っていた医師、これがドンピシャはまり、購入してから5年後には、市有地を賃借し、病院の建替えを実行、売上は倍になりました。新しい病院のそばにサービス付き高齢者住宅を新築し、院長の長年の懸案だった自分のペットを連れて入れる施設とし、竣工前から入居予約が入り、地域新聞に取り上げられるようなすばらしい施設となりました。
この事例は弁護士のファインプレーです。結果地域に欠かせない病院と成長していきました。ハチャメチャな状況でもつぶれない病院に驚きですが、奥さんだけではそのうちつぶれていたでしょう。実際奥さんが経営している間、色々と病院の施設設置基準を満たさない状態があったようです。このあたりは自治体と話をつけてクリアにしましたが。
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