高齢者と住まい その5番外編
高齢者のみが生活する世帯では、色々心配なことがあろうかと思います。
例えば戸建て住宅に高齢者のみで生活している場合、若いころに購入した住宅にお住まいで、築年数もそれなりに経過している場合が多いかと思います。
昔の家はバリアフリーなどまったく考えてませんから、住居人の高齢化に伴い、バリアフリー化が必要になるでしょう。多少補助金や介護保険の制度もありますので、お手当てをされている場合も多いかと思います。
庭の手入れや、建物老朽化にともなう修繕などもありますよね。高齢者世帯で、保安上の安全面が気になる、ということもありますね。
それでは、家庭内で使うエネルギーはどうでしょう。家庭内で使うエネルギーって、ガスと電気ですが、ガスはやや扱いが難しく、高齢化世帯では不安ではないでしょうか。
ガスコンロでお湯をわかしてたけど、そのまま忘れてしまったとか、下手すれば火事になりますよね。若年層とちがい、高齢化は反応が遅くなりますし、忘れっぽくなるし、病気などなんらか障害があったりしたら、、、
オール電化にすれば火事の危険はガスに比べ大幅に減ります。ワタシの周りでも、地方の年老いた両親の自宅がガスを使っていて、不安です、という声を聞きます。ちなみに筆者四十台半ば、、、
ガスを電気に代えるということを具体的に考えてみます。
家庭内でガスを使う目的は
①調理
②給湯
③ガス空調
ガスを空調や床暖房に使うケースは少ないので、大半の家庭は調理と給湯だとおもいます。意外とガスの用途って電気と比べ少ないんですね。
ということは、オール電化にするためには、ガスコンロをIHクッキングヒーターに変えて、ガス給湯器を電気給湯器に変えれば完了ということです。
意外と簡単です。
ですが、高齢者世帯でもガスを使っている家庭が多いのはなぜか。ガスを電気に代え方がわからないとか、めんどくさいとか、理由は様々でしょうが、実際に見積もりまで行くと、ガス給湯器が高い、というところで止まっていることが多いと聞きます。
実際、筆者も百万円を超える給湯器の見積もりをいくつも見ました。ワタシもそこで思考停止していたのですが、今は便利な世の中になりました。インターネットで検索すると、なんと数十万円で電気給湯器があるではないですか!
実際工務店等で見積もりを取ると、百数十万、これが相場かな、と知見がないからしょうがないのですが、一方で数十万のものがある、これを知っているだけでも交渉は有利に進みますよね。
場合によっては、分離発注という手法も取れます。部材を施主が持ち込み、工事を工務店に発注します。IHクッキングヒーターと電気給湯器をインターネットで発注し、工事のみを工務店に依頼します。電気は配線をつなぐ工事なので、そんなに高額な工事費になるとは考えられません。逆に新規にガスをつなごうとするとガス管の配管があるので、工事費は高額になります。
そうは言ってもそれなりのコストがかかりますので、場合によっては、IHクッキングヒーターのみ代えるということであれば、空のやかんを火にかけるような、直接的に火事などにつながる事故は防げると思います。給湯器で事故、というのはあまり聞きませんので。
変動費である電気料金とガス料金との比較は、使い方次第なので、どちらがお安くなるかはわかりません。しかし、安全を手に入れるのであれば、コストは大きな問題にならないかもしれませんね。
筆者のまわりで、高齢のご両親のガスが怖いよね、という声がそれなりに聞こえていたので、本日は住宅で使うエネルギーガスを電気に代える場合の考え方を整理しました。
今回のコラムは社会福祉士の副理事長が担当いたしました。今後も、高齢化社会で直面する問題について、知っておきたい豆知識をコラムとしてご提供しようと思います。ソーシャルワークの一助になれば幸いです。
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